株式会社プラントリイは令和4年5月1日で創業50周年となりました。この記念すべき50周年という節目を迎える事ができましたのも、得意先様・仕入先様をはじめとする多くの関係者の皆様、そして社員として勤務していただいた方々のお陰です。厚く御礼申し上げます。

明治から続いてきた鍛冶屋を業態転換し、昭和47年に鳥居鉄工所を創業したのが現在のプラントリイの始まりとなります。創業当時は工場建築の鉄工所としてスタートしましたが、薄板板金に業態を変え、今では大手重電メーカー様向けの大型筐体メーカーとなりました。

当社は創業当時から今日に至るまで「人の手でしか成し得ることが出来ない仕事」を大切にしてきました。技術革新が進み、生産手段の機械化が進んだ今でも同じ考えを貫いています。

その理由の一つが、古くから当地に続いて来た歴史にあります。
当社の所在地である宍粟市千種町は、古代の製鉄技法「たたら製鉄」の有名な産地でした。当地で産出されていた良質な鉄（玉鋼・たまはがね）は、日本刀の原料として刀匠の間でも珍重されていたようです。その歴史は古く、少なくとも1300年前にさかのぼる事ができます。当社の周辺の山々でも「たたら」跡（鉄山跡）が至る所に見受けられます。

当地における「たたら製鉄」は、1000年以上にわたって大きな産業になっていたと考えられる反面、歴史的・文化的にも世間に知られる事が少なく、昭和初期にひっそりと「たたらの火」が消えました。しかしながら、古代から発展してきた農耕技術や建築・仏教文化、武家文化などを支え、飛躍させてきた陰には、良質な鉄の供給が欠かせなかったことは明らかです。

当社では、陰ながら日本の文化や産業を支えてこられた先達の方々に思いをはせ、鉄山師として技術を磨いてこられた思いを現代にも受け継ぐべく、「人の手」にこだわったモノづくりを続けております。

今後も世間様のお役に立てるような仕事を続けていきたいと願っておりますので、一層のご指導とご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

株式会社プラントリイ

取締役社長　鳥居史郎